二度目の初恋
「はあはあはあはあ...」


悪い夢にうなされて突然目が覚めた。

ゆいぼんが深くて暗い穴に落ち、底から伸びる何十本もの黒い人間の手に引きずられて行く夢だった。

あの事故の日からたまに悪夢を見るが、いずれもゆいぼんが出てきて必ず誰かに連れ去られる。

それはここにいる俺自身の心に根付く恐怖と表裏一体だった。

1度起きると寝付けないため俺はいつも勉強を始める。

高校にもなると、さすがにノー勉でテストを受けると散々な結果になると思い、真面目にやることにしたのだ。

怜奈が1日の半分の時間を勉強に当てても受からなかった高校に俺は1日2時間の勉強で受かってしまった。

だが、これからは舞台が全国、いや世界になる。

のんびり構えていては何も得られずに高校生活が終わってしまう。

俺はそんなの嫌だ。

だから文武両道を目標に掲げ、俺はサッカー部に所属することにした。

部では1年の冬から技能の高さを認められエースナンバーを背負うことになった。

勉強もまずまずの出来で一応全教科トップ10に入る好成績を修めている。

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