二度目の初恋
そんな俺よりもすごいのは、百瀬伽耶だった。

小学校の時こそ地味で目立たなくて大人しいキャラだったが、中学生になると眼鏡を外してコンタクトにし、ゆいぼんと同じくらい長かった髪をばっさり切り、今は肩につくくらいの長さだ。

ピアノでも賞を取り、吹奏楽部ではフルートとピッコロ担当で次期部長候補と言われている。

今では接点がほぼないというのに、俺がここまで知っているのは、伽耶が学年中で噂されるくらい才色兼備だからだ。

総合成績は俺の上を行くトップ3入り。

東大とまではいかなくても一橋大学辺りは狙えるのではないかと専らの噂だ。

俺は正直驚いていた。

小学校の時はゆいぼんの影に隠れてとにかく目立たなかったのに、ゆいぼんがいなくなってからというもの一番輝きを増したのは彼女だろう。

ゆいぼんを内心嫌っており、ゆいぼんの妹も悠永のことも取り入れようとする魔性の女と俺は相容れないと思っていたのだが、状況は常に変わる。

ゆいぼんが戻って来たことで俺の気持ちに変化がもたらされた。

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