お嬢様とピアニスト
「あの、先輩どうしてそんなこと知ってるんですか?確かに合ってますけど。」

「いや、その…や、やっぱり噂になってたりするんだよ。朝は付き人に送って貰っているのに帰りは歩いて帰ってるって。」

なんでみんなはそんな細かい所に気づくんだろう?

私なんか見てたって何も面白くないのに。

「みんなよっぽど暇なんですかね?私のことをそんなに見てるなんて。何も面白くないだろうに。」

「いや、だから、それは桜木がかわ…いや、なんでもない。」

???

どうしたんだろう?

言葉に詰まってるけど。

まあフォローも出来ないんだろう。

やっぱり、先輩もそう思ってるんだろうな。

「あ、それで明日は直接来るのか?」

あ、そうだった。

すごく脱線してた。

遅くならなければお父様も怒らないだろう。

きっと。

「はい。そうします。先輩はそれでも大丈夫なんですか?」

「俺は大丈夫だ。じゃあ明日。」

「あ、待って!」

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