アテナ・イェーガー〜反抗、のちにキス〜
「私が、メルガ・キースの娘だから。でも魔法を学ばせれば反抗されるかもしれない。だからただ武術しか学ばせなかった。……私はただの武器で道具だ」

「……そんなこと言わないで」

泣き出しそうになっているアテナの頬に、ロネはもう一度触れた。柔らかく温かい感触が愛おしい。ロネは優しくアテナを撫でながら言う。

「アテナは人間だよ。道具でも武器でもない。俺の大切な人だ」

「ロネ……」

アテナの唇が微かに震える。その目から流れ出した美しい滴にロネは胸を高鳴らせながら滴に触れた。

アテナがユミルに呼ばれてしまうまで、ロネはアテナに触れ続けていた。





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