アテナ・イェーガー〜反抗、のちにキス〜
脱獄
「気分はどうだい?」

牢屋の前にユミルが現れる。ロネは「いつも通り最悪だけど?」と可愛げのない返事をした。アテナを傷つける者はロネにとって敵なのだ。

「もう少し可愛いと思ってたんだがな。見た目と中身がずいぶん違うねぇ」

「そんなことより、俺をさっさとここから出して!!アテナも解放して!!」

ロネは何度目になるかわからない交渉に出るが、ユミルはその言葉を全て無視していく。ロネは「アテナに何をさせるつもりなんだよ……」と呟いた。その刹那、ユミルの瞳が輝く。

「知りたい?これからあの子が起こすことを……」

それはきっと聞いてはいけないものなんだろう。しかし、ロネは聞くことを選んだ。聞かなければならないのだ。

「まずはこれを読め」

そう言ってユミルがロネに渡したのは、もう何日も見ていない新聞だった。久々にロネは情報を目にすることができたのだが、そこに書かれていたことに言葉を失う。
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