あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎
十三、懇親会の功名
梅雨も明け、夏本番という頃、
唯は、河合課長に別室に呼ばれていた。
「新しい業務は、どう? 慣れた?」
「はい、だいぶ慣れました。
今、ビジネス実務法務検定の勉強もしてて、
なかなか興味深いです。」
河合課長は、話を切り出した。
「来てもらったのは、他でもない、
芹沢さん、仕事はしばらく続けてくれるんかな?」
「はい、そのつもりですが」
「実は、芹沢さんを契約社員に推薦しようかと
思っててな」
唯には思ってもみない申し出だった。
「前、所長会議の後の懇親会に出てもらったやん、
あの時、営業部長や所長にえらい評判良くてな、
本社人事にも話が行ったみたいでな」
唯は、今までの仕事ぶりや努力が
認められたようで、嬉しかった。