あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎
三、誘い
披露宴、二次会も終わり、
三次会ともなると、残る人もまばらだった。
この日は宿泊予定の美香は残っていた。
真樹もまた残っていた。
菜々が話しかけてきた。
「真樹君と喋った?」
「まぁ、挨拶程度ね」
一度去った菜々が、
今度は貴洋と真樹を連れて戻ってきた。
「この4人でいると、学生時代みたいね」
菜々は少し昔話をしていたが、
貴洋と呼ばれて行ってしまった。
残された美香と真樹は
言葉少なくグラスを傾けた。
「明日、帰るの?」
「うん」
「明日の予定は?」
「特に、夕方の便で帰る」
「じゃあ、昔みんなで行った鎌倉に行かない?」
突然の誘いに、美香の心は揺れた。
「うん、行こうかな」