あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎
九、新たな消息
「うわ〜、怖そうな先輩〜
後輩泣かせんなよぉ〜」
ピョンと男性が発券カウンターから顔を出した。
史緒里の旧友、石田だった。
「は?泣かせてませんけど?
お客様、ご用のないようでしたら、
お引き取り下さいませ」
唯が冷たく言い放つと、石田は続けた。
「もー、ゴメンてー、
今後、可愛い後輩、紹介してよ〜
して、用件だけどな」
石田は表情を正した。
「宮崎先輩と、最近連絡取った?」
史緒里はドキリとした。
「んー、1年ぐらい前かな」
「先輩、今転職して、タイにいるって」
「へー、いいなー、タイ行きたいな」
史緒里が答えると、
石田は、じゃと手を上げて去っていった。