あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎

十一、微笑みの国タイへ




翌月、史緒里はバンコクへと機上の人となった。
5時間余りのフライトの後、
入国審査などを経て、バゲージクレームで
荷物を引き取ったのは、もう夕方だった。

到着口から出ると、
晴紀が待っていた。

二人は高速鉄道で都心へと向かった。
「結構都会ですね」
「まぁバンコクは首都だからね」
「もっと象とか、バカンスみたいなの
 想像してました」
「さすがにタイとは言え、象は歩いてないし、
 バカンスは、島かな、プーケットとか」

史緒里はホテルに荷物を置くと、
二人で食事に出掛けた。

「そっかー、忙しくて、ちゃんと調べもせず
 バンコクにホテル予約しちゃったけど
 島に行けばよかったんですね」
史緒里はガイドブックをパラパラめくった。

「海辺でボヘーっと、したかったなぁ、
 水着持ってきちゃったよ」
史緒里が呟くと、晴紀が言った。
「じゃ、明日行く?」

「えー、いいんですか?
 フェリーで30分ぐらいですか?」

「んー、船だと、どっかから高速艇で
 5時間とかかなぁ、
 飛行機の方がいいと思うよ〜?」

「わっ、そうなんですね」

「プーケット島とかサムイ島がメジャーかな。
 サムイの方が、日本人は少なくなくて、
 ボヘーっと?するならいいんじゃないかな」

「サムイ島って寒いんですか?」

「みんな取り敢えず言うよね…
 普通に熱帯だよ」


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