あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎
二、出会い
滑走路の見えるレストランに向かうと、
啓輔と男性が談笑していた。
「お待たせしました」
茉莉奈が近付くと、啓輔が言った。
「おぅ、おつかれ〜。
まぁ座れよ、昼飯食ったか?
こちらは、川島航。
フランスに行ってた時の友達」
「初めまして、妹の茉莉奈です。
兄がお世話になってます」
簡単に挨拶してから、茉莉奈は答えた。
「まだ食べてないけど、
結構待ったでしょ?
帰ってからでも良いよ」
「大丈夫、大丈夫、積もる話もあるし、
遠慮せずに食えよ」
啓輔が言うと、航も続けた。
「そうですよ、僕たちは気にせず、
召し上がって下さい」
店員が、職員用のメニューを持って来ると
茉莉奈は慣れた風に注文した。
啓輔は感心したように言った。
「へー、私服でも従業員ってわかるんだな。
で、航ちゃん、今日からうち泊まるから」
「お邪魔します」
航が続いた。
「あ、どうぞごゆっくり」
茉莉奈は応えた。