あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎
四、母の提案
実家に帰ると、母親が待ち構えていた。
「明後日、大聖堂のとこの音大で
演奏と講演会があるんだって」
と啓輔が言うと、母親が提案した。
「じゃ明日は、茉莉奈が観光案内して
さしあげたら? 車もあるんだし」
「え、でも練習とか準備があるんじゃない?
てゆか、お兄ちゃんは?」
「俺、明日は予定があるんだよ」
「僕、準備は大丈夫です。
朝、ちょっと練習させてもらえれば」
「じゃあ、ご案内します」
翌日、練習を終えた航を連れ、
茉莉奈は出掛けた。