あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎
十二、次の約束
4月になり、航の講師の仕事も始まった。
月1の特別講義は、
土曜日の朝から夕方近くまで行われた。
茉莉奈は航と待ち合わせて、
こじんまりしたスペインバルに入った。
「講義はどうですか?」
「いやー、若い学生のパワーにタジタジだよ」
「兄に、バレエ観に行ったら偶然航さんが
吹いてたって言ったら、驚いてましたよ」
「啓さんにはバレエ団で吹いてるって
言ってあったんだけどな」
「カプセルホテルに泊まるって言うんで
うちに泊まってもらったって言ったら、
良い事したって言ってました」
「良かった〜、怒られるかと思った」
2人は顔を見合わせて笑った。