あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎
六、お礼の返信
しばらくしても、返信はなかった。
休憩中の遥も、そろそろ仕事に戻る時間となり、
片付け始めた頃、玲奈のケイタイが鳴った。
崇からの返信だった。
大騒ぎする2人を横に、
玲奈は返信を確認した。
〈連絡ありがとう。
打合せ中で遅くなってゴメン。
俺、会社辞めて、実家戻ったんだ。
また改めて飯でも行こう。〉
崇からの返信を覗き見て、
わー、きゃー、どういう事?!と
また騒ぐ同期に、玲奈は簡単に説明した。
「タカちゃんは、あれで音大出てて、
東京で、音楽関係の出版社にいたの。
でも実家継がなきゃで、辞めて、
こっち戻ってきたみたいだね」
えー、きゃー、音大? ステキ!と
続けて盛り上がる2人に、玲奈は付け加えた。
「ちなみに、実家は鈴屋書房」
同期たちはますます盛り上がった。
「鈴屋書房なんて、地元の大企業じゃん!」
「大企業の御曹司の幼馴染みと再会!」
「恋のよ、か、ん!」
「奥様になったら、遊びに行くわ〜」
勝手な事を言う同期たちに、
玲奈は苦笑するしかなかった。