あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎
九、事情聴取、再び?!
職場の休憩時間、
玲奈は、同期2人にまた尋問を受けていた。
「いや、だから、ご飯食べたりしてるだけで…」
「えー、それだけ?」
「家行ったんでしょ?」
「実家で、ピアノ弾いてもらって
ケーキとか焼き菓子沢山食べて帰った」
「えー、それだけ?」
「最強の幼馴染み説は?」
ヤイヤイ言っていた2人だったが、
茉莉奈が切り出した。
「聞いた話なんだけどさ、
鈴屋書房の御曹司、狙ってる子多いみたいよ〜」
「うんうん、社内から社外から、部外者まで」
「へー、そうなんだ」
「行くなら早めがオススメよ」
「そうそう、玲奈の気持ちはどうなの」
「どうって、幼馴染みだよ。
小さい頃から知り過ぎてて、
2人が期待するような事には…」
その時、休憩室のドアが乱暴に開いた。
「玲奈さん、休憩中すみません、
到着が早まっちゃったんですけど!」
「わかったー!すぐ行くー!」
納得いかないような同期2人を残し、
玲奈は急いで先に仕事に戻った。
到着ロビーで到着した乗客を見送りながら
ふと玲奈はベルトコンベアの方を見た。
金髪のスラっとした外国人の女性が
荷物の流れて来るのを待っていた。