あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎
十六、思わぬ再会
突然、崇に声をかけられ
思わず息を飲んだ玲奈に、崇は言った。
「俺、次便の振替、オッケーだけど」
玲奈は我に返った。
「あ、ありがとう。あ、えーっと、
じゃあ、えーっと、ちょっとこちらで
お待ちいただけますか」
「忙しいとは言ってたけど、ホント忙しそうだね」
「う、うん」
「落ち着いたら、また飯でも」
「う、うん」
崇はゲートから少し離れた所で待っていた。
いやいや、仕事、仕事、
玲奈は懸命に頭を仕事に切り替えた。
カウンターから無線が入った。
〈カウンターです、搭乗手続き締め切ります。
オーバーは2人、うち1人は降機対象運賃、
一般の振替は1人でお願いします、どうぞ〉
〈ゲート、了解です、どうぞ〉
玲奈は無線に応えると、指示を始めた。
「降機対象運賃のお客様、呼び出して。
もう1人は、そこに立ってる鈴木様。
まず鈴木様のチェックインからボイドして!
ボーディングも始めるよ」