あの滑走路の向こう側へ✈︎✈︎✈︎
二十四、幼馴染みの淡い恋心へ続く滑走路
昔の思い出話は、尽きなかった。
しかし、崇が話を変えた。
「でも良かった。なんかレイちゃん、
俺の事、避けてんのかなぁとか思ってて。
こうやって楽しく昔の話できて、
前に戻ったみたいだ」
「その、エマさんは、タカちゃんと
仲が良いのかと…」
「ん?仲良いよ? 元々友達だったのは俺だし」
「んー、そうだね」
「あ? 仲良いって、付き合ってるとか、
そんな意味の? いや、それはないよ!」
「そ、そっか」
「それって、俺とエマの仲を
ジェラっとしてくれたのかな」
「うー、まぁ、ちょっと」
「それで、なんか変だったのかー」
玲奈は返す言葉もないとばかりに、
赤面して俯いた。
「それって、期待していいのかな、
俺とレイちゃん」
玲奈は、赤面して俯いたまま、頷いた。
オッシと崇は小さくガッツポーズした。
「レイちゃん、顔上げて」
崇が優しく言うと、
玲奈がオズオズと顔を向けた。
「レイちゃん、今度からは
俺の彼女として、また実家に
遊びに来てくれる?」
玲奈はまた真っ赤な顔で頷いた。
「うん」
燃え盛る夏の日に焼けた滑走路は、
幼馴染みの淡い恋心へと導かれていた。
✈︎✈︎第6章 完✈︎✈︎