神埼探偵事務所
「俺、別に女が出来たから落ちる様な見せかけの推理力で今まで散々事件解決してきたワケじゃねえから。」
「好きな女とか大事な女を守れねえやつが、どうやって困ってる人達を解決に導く手助け出来るんだよ。」
「俺は女が居ようが、居なかろうが、生まれつき神埼大河なんだよ。」
「愛した女は全力で守り抜くし」
「与えられた事件は絶対に解決する。」
「だからオメェらも俺の生き方や女にゴタゴタ言う暇あるなら、どうやったら児童誘拐が減るかとか、そういう価値の有る頭の使い方してくれよ。」
行くぞ、と私の腕を掴んだ大河。チラリと見えた瞳は本気そのものだった。
大河パパが空気を読んでくれて、車のドアを開け一番最初に後部座席の奥へ私を入れてくれる。
そんな家族ぐるみの優しさが、今の私にとっては❝私の生きる理由❞なのかもしれないな。