にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光
「そのまま、聞いて…」
原さんが言った
「実家、行ってきた…
…
みんないなかったけど
義母に会えた
元気そうだった…
…
やっぱり、
帰らなきゃよかったかなって…
…
行ったあと
ここに戻って
バチが当たったんだ…って思った」
…え
「美波さん、ひとりにしたバチが…」
え…?
「ごめん…
…
オレ、美波さんいなかったら
ひとりだったわ…
…
なのに、ごめん…
あの日…」
原さんの声が少し震えた