にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光
原さんはビールを持って来て座った
「この前は、ごめん…
いろいろ話して…
泣いて…」
原さんはうつ向いて言った
「嬉しかった
原さんが私を待っててくれたこと…
私に話してくれたこと…」
「…来てくれて、ありがとう…
…
でも、美波さん…
…
帰るたびに
もぉ来ないかな…って
不安になる…」
「不安…?
私は原さんが待っててくれるなら…
迎えに来てくれるなら…」
「美波さんを待ってる人
他にもいるでしょ…」
先生のこと…
「この前の話…
美波さんを
同情させるようなことになってたら
ごめん…
だから、今日、来てくれた?」
「同情とかじゃなくて…
私は、原さんに会いたくて…
…
でも…原さんに私の話したら
もぉ会いたくないって思われるかも…」
「私の話って…?」