にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光

「…その人は
美波さんを好きなんでしょ…」

原さんは、そう言った



私は黙って頷いた



「でも、私は…
私は、同情とかじゃなくて
原さんを選んで、ここに来てます

最初から
原さんのこと気になってた…
タイヤ屋さんで会った時から…
何も知らない時から…
ずっと、原さんのこと…」


好き…


って


私が言う権利なんか



ない




また原さんを傷付ける




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