にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光
「もぉ、お父さん
ここで寝ないでよ…」
食事が終わって
片付けが一段落したら
お父さんがリビングで寝てた
「お父さん、いっぱい飲んでたからね」
原さんが言った
「うん、楽しそうだった
ずっと私とふたりだけだったから…
原さんが相手してくれて
嬉しそうだった…」
「オレも、楽しかった
父親と飲んだことなんか、ないし…」
高校卒業して
すぐ家出たんだもんね
「さっき、なんの話してたの?
私が布団敷きに行った時」
「ん…?いろいろ…」
「教えて…
私の文句とか?」
「うん、そんなカンジ…」
「もぉー
…
原さん
ありがとう…
今日、来てくれて」
「んーん…
ありがと、呼んでくれて」