にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光
「コレでいいかな?」
結婚式当日
原さんがスーツを着てた
「うん、かっこいいよ」
「ホント?着なれないからキツイ」
原さんは
ホントにスーツが似合ってた
コレで
お義姉さんと義妹さんに会って大丈夫かな?
前髪もセット剤で上げて整えてた
「その髪型好きだな
クリーニング屋さん思い出す」
「あー前髪上げてたね
…
遥、笑ってたじゃん
あの時」
「笑ってないよ
だって、ピンで止めてて
かわいかったんだもん…」
「目に髪がかかるとダメって
店長に言われてたから…」
目が合って
いつもの原さんじゃなくて
ドキドキした
「あ、目、そらした…
ウソついてる
やっぱり笑ったよね?」
「んーん…
恥ずかしくて、そらした…」
「なにが?」
「かっこよくて…
恥ずかしい…」
ゆっくり顔が近付いて…
キスされるかな…って思ったけど
されなかった
恥ずかしい、私
「かわいい…遥…
じゃ、行ってくるね」
イジワルーーー!