にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光
「遥と結婚したいと思ってる
…
結婚式とかは
まだわからないけど…
…
美波…の姓を名乗りたいと思ってる」
「え…」
隣にいた遥が
一番驚いた顔をした
遥にもまだ言ってなかった
美波に改姓しようと思ってること
「今まで育ててもらって感謝してる
だから悪いかなって悩んだけど…
…
遥、ひとりっ子なんだ
お母さんを亡くしてて
お父さんとふたりなんだ
だから
父さんと母さんが許してくれたら…」
「父さんは、いいと思う」
「お母さんも…
明日生、幸せになってね」
「美波になっても家族だからな、明日生
…
遥さんを、幸せにしてあげなさい」
父さんも母さんも賛成してくれた
「ありがとう
ふたりで…
遥のお父さんと3人で幸せになる」
「3人じゃなくて…
明日生が幸せなら
私達もみんな幸せよ」
母さんが言った
「ありがと…」
オレの隣で遥が目に涙を溜めてた