にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光
食事が終わって
父さんと母さんに呼ばれた
「明日生、ちょっと…」
「これ、高校の授業料
明日生からもらう必要ないから…」
父さんから通帳を渡された
「それから、コレ…
妹が…
あなたのお母さんが
なくなる前に、明日生に…って…」
母さんからも通帳を渡された
「ホントは、あなたのお母さん…なんて
言いたくないな…
だって、育てたのは私だもん
私の子供だもん…」
母さんの目には涙が溜まってた
「結婚式、挙げなさい
きっと亡くなったお母さんも
喜ぶと思うから
育てたお母さんもな!」
父さんが隣にいた母さんの肩を叩いた
「うん
遥さんにドレス着せてあげて
きっと似合うから…」
父さん、母さん
ホントの子供以上に育ててくれて
ありがとう