にびいろのなかのひかり 鈍色の中の光
「コレ…
弁当箱
洗ってずっと店のロッカーに
置いておいたから
今、取ってきました」
「あ、別に、いいのに…」
もしかして
それ返すために
わざわざここに来てくれたのかな?
「コレ…
そのお礼…」
「え、なんですか?」
袋の中身を見たら
「梅酒…
しかも高級なヤツじゃないですか!」
「飲んでましたよね…梅酒…」
焼鳥屋さんで…
見てて覚えててくれたんだ
「でも、こんな、高級なの…」
「何がいいかわかんなくて‥
さっき酒屋通ったんで…
…
誕生日だし…」
「…ありがとう…
ありがとうございます
…
そーいえば、私、誕生日でしたね
ケーキ食べましょうか…」
ケーキを皿にのせて原さんに出した