降りますか、降りませんか。
「……最後にいたときは、まだ、お互いにお酒は飲めない年でした」
「ってことは。2年くらいフリー?」
「ですね」
「へえ」
寂しいって思われた!?
いやでも恋人ってそんな頻繁にできるものでもないような。
人によるよね!?
「お酒。楽しく飲んでみたいです」
「さっきは楽しくなかった?」
「そ、そういう意味ではなくて。恋人と」
タマキさんとこんな風に話せると思ってなかったから幸せだな。
これをきっかけに、仲良くなれたら嬉しい。
なんて。
そういっている間にも、まもなくうちに到着するんだけれども。
「すみません、先にわたしの家に向かってもらっちゃって」
「俺も」
「え?」
「最後に彼女いたとき。まだ。飲める年じゃなかった」
わたしと、一緒だ。
「誘われないわけじゃないんだ。でも。先にできあがっちまうのカッコわるくて夜は避けがち」
「……カッコわるくなんて。ないと、思いますよ?」