君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)



「そんなこと関係ないよ。私は草野くんが持っているノートを一緒に持ちたいだけだから」


 花咲さんはそう言って、さっきのように天使のような笑顔を見せた。


 僕は、その笑顔に自分の頬が熱くなっていることを感じた。

 そして胸の鼓動も、また少しずつ激しくてなっていることを感じていた。


「じゃあ、半分もらっていくね」


 花咲さんは、そう言って僕に最接近した。


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