君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)



 惜しい……?


「……わたしも、もし夏休み前に転校していたら……少しは……違って……たのかな……?」


 ……え……?


「……好き……」


 ……え……?


「……わたし……幼稚園の頃から……ずっと優くんのことが……好き……なの……」


 ……愛美ちゃん……。


「……優くんは……わたしのこと……どう思ってるの……?」


 ……え……。


「どう……って……」


 僕は、どう答えればいいのかわからなかった。


「……わたしのこと……嫌い……?」


「そんなことは……‼」


「じゃあ……」


 ……愛美ちゃん……。


「……もう……遅い……のかな……?」


 ……え……?


「やっぱり……もう……」


 ……愛美ちゃん……。





 * * *





 部活が終わって帰ろうと思ったとき……。



 僕は、いつものように加恋ちゃんと帰ろうと思って加恋ちゃんに声をかけようとしたら……。


 ……あれ……? 加恋ちゃんがいない……。


 僕は部員のメンバーに加恋ちゃんがどこにいるかを訊いた。


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