君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)
そして箱を開けると、かわいらしいチョコレートたちが見えた。
どのチョコレートも美味しそう。
どれにしようか迷ってしまうので、加恋ちゃんに選んでもらうことにした。
加恋ちゃんが選んでくれたチョコレート。
そのチョコレートを加恋ちゃんが僕の口にやさしく入れてくれた。
そのときの加恋ちゃんはとても恥ずかしそうにしていた。
その様子がとても可愛らしかった。
「美味しい‼ 加恋ちゃん‼」
「本当?」
「うん」
「よかった」
加恋ちゃんはとても笑顔になった。
加恋ちゃんが買ってきてくれたチョコレートを加恋ちゃんが食べさせてくれたから最高に美味しい。
僕は最高に美味しいチョコレートを食べながら、もう一つあることを思った。
「……加恋ちゃん」
「なぁに、優くん」
「こんなにも美味しいチョコレートを僕一人で食べるのはもったいないよ。加恋ちゃんも一緒に食べよう」
「優くん……」
「それでね、今度は僕が加恋ちゃんにチョコレートを食べさせたい」
「優くん」
「ねっ、加恋ちゃん」
「……でも……」