君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)



 髪は艶がありサラサラなストレートヘア。

 目は大きく瞳の色は薄いブラウンで、肌は白く透き通った感じ。

 声も今の挨拶のときに聞いた限りでは透明感のあるきれいな声。


 ……‼

 僕は、はっと気付いた。

 何をそんなにもジロジロと女の子のことを見てしまって……と。

 これでは、まるでセクハラになってしまう。

 そう思った僕は慌てて花咲さんから目をそらした。





「草野」


 担任の先生が僕の名前を呼ぶ。


「はい」


 先生に名前を呼ばれて返事をする、僕。


「花咲は草野の隣の席に座ってもらうから、いろいろと教えてやってくれ」


「はい」


 花咲さんが僕の隣の席……。


 僕は、それを聞いて少しずつ胸の鼓動が高鳴るのを感じた。


「花咲、あそこの席に」


「はい」


 花咲さんは透明感のあるきれいな声で返事をした。


 返事をした後、花咲さんは僕の隣の席に向かって歩き出した。


 花咲さんが僕の隣の席に向かって歩いてくる。


 歩いてくるときに生まれる風が花咲さんの髪をやさしく揺らしていた。


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