君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)
そして僕は近いうちに加恋ちゃんを連れていきたいところがある。
「加恋ちゃん」
「うん?」
「近いうちに僕の家に来ない?」
「え……?」
「もちろん母さんや父さんや妹がいないときに加恋ちゃんには来てもらうつもりだよ」
「優くん……」
「その方が気を遣わないと思うから」
「……でも……」
加恋ちゃんは少し迷っている表情をした。
「僕の家に来るの嫌?」
「そうじゃないの」
「ならいいじゃない」
「優くん……」
「詳しくは部活が終わった帰りのときにでも話そう」
「うん」
「じゃあ、今日はゆっくりと休んでね」
「ありがとう、優くん」
「じゃあね、加恋ちゃん」
「じゃあね、優くん」