君との想い出が風に乗って消えても(長編・旧)



 家に着いて僕はすぐに自分の部屋に入った。



 自分の部屋に入ってすぐベッドに横になった。


 ベッドに横になったとき、僕は思い出していた。


 加恋ちゃんと……水を……口移し……したこと……。


 あのときは加恋ちゃんが体調不良でもうろうとしていて、なんとかしたくて必死で加恋ちゃんに水を口移しで飲ませたけど……。

 今こうして自分の部屋で一人、ベッドで横になっていると……。

 そのときの……加恋ちゃんに水を口移しで飲ませたそのことが……。

 そのことを思い出すと……胸の鼓動が高鳴りだす。

 胸の鼓動が高鳴りだして、今度は僕が別の意味で意識がもうろうとしてくる。


< 90 / 239 >

この作品をシェア

pagetop