浅葱色の約束。─番外編─
ぜんぶ
ポスン───。
「っ…」
ふわっと、体が跳ねる。
布団に落とされた体を捕らえるように覆い被さってきて。
目の前に彼の顔がある。
「ひ、ひじかたさん…」
「腕、回せ」
聞いたことないくらい甘い声で私の手を誘導すると、そのまま自分の首に回させた。
心臓が飛び出しそうなくらいに鼓動が速まっているのに、全然嫌じゃない。
それどころか心地好さもあった。
───…愛しい。
言葉に表すとしたらきっとこれ。
「っ、ひじかた、さん、」
ちゅっ、ちゅっ───…。
髪、額、瞼、頬、そして…唇。
それはゆっくり落ちてくる。
くすぐったくて、あったかい。
「っ、ん…ぁ…」
「なんつう声出してんだよ」って、いつもの彼ならそんなことを言うはずなのに。
我慢しようとしても漏れてしまう吐息に、それが聞こえる度に彼の熱は深まっていくような気がした。
「…やらけえ」
後頭部から首、そして背中に降りてくる手。
包み込んでくれる腕の中、口付けは与え続けられて。
土方さんの匂い、土方さんの声。
私にはもう、彼しか無い。