浅葱色の約束。─番外編─
これは仕方ないことだとしても、それでも普通の女の子とはやっぱり少しだけ違うから。
「…私の身体……傷がたくさんあるの…」
刺されたこともあった。
銃弾がかすれたことだって。
それまでたくさん小さなアザはあって、それは今は消えていたとしても。
「2つだけ…消えてくれなかったみたいで…、」
右の脇腹と左の太腿。
小さくなってはいるけど、その傷跡は残っている。
汚いの、綺麗じゃないの。
「み、見苦しいと思───…わっ、!」
すると土方さんは断りもなく着物を全て剥ぎ取ってしまった。
暗闇だとしても居間から微かに漏れている明かりが反射して、それはハッキリ見える。
「な、なんてことを……」
隠そうとしても両手を縫い付けられてしまっては。
女の裸は見慣れている土方さんだとしても、私は何ひとつ慣れてなんかいない。
ガキだガキだと言われていたときは、そういう恥ずかしさはまだよく分からなかったけど…。
今は恥ずかしくて、傷痕を見られて幻滅されてしまうことが怖い。
「いやだ、見ないで…っ」
「見せろ」
「引かれちゃうっ!やだ…っ」
「引くわけねえだろうが」
こんなの公開処刑だ。
笑えない、冗談だ。