浅葱色の約束。─番外編─
あ…土方さん、いま一瞬だけ昨日の顔をした。
スッと離されたと思えば、トンッと布団に倒される。
股がるように覆い被さって意地悪な笑み。
「私これからご飯作るの…!土方さんだってお腹空いてるんじゃ…」
「あぁ空いてる。昨夜はたくさん動いたからな」
確かに色々あった1日だった。
拉致されて、危うく初めてを奪われてしまいそうになって。
ずっと隠そうと思っていた涙が堪えきれなくて。
知らなかった話もたくさんした。
「だったらこの状況は……」
「一番食いてえモンが目の前にあんだよ。
それ我慢しろってのも中々にキツい話だぜ」
理解するまで数十秒。
肌白いなぁとか、やっぱり男の人の筋肉ってすごいなぁとか。
ぽーっと見惚れてしまった。
「なっ、土方さんそういうの言う人じゃない…!」
「当たり前だ。お前以外にゃ言ったことねえよ」
抵抗したって無駄。
全身に唇が落ちてくる。
「ん…っ、待って土方さん…っ!」
「抵抗したって逆効果だぞ」
「もう…!!ぁ…っ、」
彼は昔からそうだった。
こうと決めたらまっすぐ向かう人。
止まることを知らない人。