浅葱色の約束。─番外編─
「ねぇ土方さん」
「…なんだ」
「…そっち……、いってもいい…?」
布団はいつも2つ並べて敷いて、少しの隙間を開けてそれぞれ横になる。
最初はそんなことにさえも毎晩顔を真っ赤にさせていたが、少しずつ慣れて来ていたこの頃。
今日、久しぶりに色んな話をした。
1人で暮らしていたときの話、私が未来に居たときの話も少しだけ。
そんなものをしてしまったからかもしれない。
「…眠れねえのか」
「…うん」
布団脇に行灯の明かりが1つ。
土方さんはいつも私が眠ってから布団に入る。
それまで端にある机に向かって、何やら書物を読んでは筆を動かして。
かつて指揮官だった彼だ。
戦場を離れても残った仕事はまだあるらしい。