浅葱色の約束。─番外編─
愛の形
「どく…せん、よく……」
言葉の意味は分かる。
そのままだ、誰かを独占したいとか…たぶんそんな感じ。
「独占……?」
独占って、私が土方さんを独り占めしたいってこと?
そんなおこがまし過ぎることしたら、彼はきっと舌打ちを決め込むに決まってる。
「んじゃ、行って来る」
「……行ってらっしゃい」
「いい加減認めちまった方が楽だぞ。つうか、手紙にも書いてあっただろ」
それからというもの、ろくに土方さんの目を見ない生活が続いていた。
それでもちゃんとお見送りはするし出迎える。
土方さんはそんな私を見つめて、意地悪に微笑んだ。
「“心から尊敬していると共に大好きでした”、ってよ」
「っ!どうしてわざわざ言うの…!」
「ちゃんと戸締まりしとけよ。知らねえ奴が来たら出るんじゃねえぞ、居留守しろ居留守」
怒る私を華麗にスルー。
ふっと軽く笑って、玄関を出て行った。