忘れるための時間 始めるための時間 ~すれ違う想い~
# 未来side
# 未来side
座席に座ると永井くんがいる右側の肩が熱く感じた。すぐとなりに永井くんがいると思うと緊張してしまう。
それでも映画はとても感動的で涙ぐむシーンもあり、次第にストーリーに引き込まれて行った。
エンドロールが終わり、会場の明かりが点る頃には観客の人たちは立ち上がり、会場を出ている人もいた。
ストーリーに引き込まれていた私は放映が終わったあともスクリーンを見つめていたけど、ハッと永井くん事が頭をよぎってあわてて隣に目をやる。(永井くん、終わったら早く会場出たい人かもしれん)
永井くんと目が合いドキッとする。
「ごめんなさい、一人で浸りきっとって」
あわてて立ち上がろうとすると
フッと笑い、そっと手を肩に置いて立ち上がろうとする私を止め
「ええよ。ゆっくり出よう。」
と言ってくれた。
映画に集中して少し落ち着いていた心臓がまたうるさく動き出す。
また座席に腰を掛ける。
永井くんの表情を確かめるように顔を見ると永井くんもまた私の方を見ていて思わず目を泳がせてしまう。
(良かった、嫌な顔はしていない。)少しホッとする。
「感動した?俺、原作は知らんけど同年代の話じゃし、何かいろいろ分かる気がした。」
永井くんが微笑みながら映画の感想を話してくれる。少し垂れ気味の大きな目を細めて笑う、その表情がとても好きだ。
「あっ、うん。感動した。主人公の女の子見とったらうちも頑張らんといけんなぁ…って思った。」映画の告白シーンを思い浮かべ話す。
「感動しとるよなぁ、って思った。泣いとるし。フフッ」
からかうように言い、ほっぺを指でツンツンとさわってきた。
顔が真っ赤になるのを感じ、両手でおおう。
「えっ、もぉ、からかっとる?」
「いや、可愛いなぁって思って。クスクス」
「笑うとからかわれとるように思うわ!」
恥ずかしさをかくすようにちょっとすねたように言ってみる。
「ごめん、ごめん。さっ、そろそろ出ようか!」
永井くんに腕を引かれて立ち上がる。会場に残っているのは私たちだけになっていた。
感動の余韻を楽しませてくれたのだと思い、永井くんの優しさにまた感動する。
会場からでて歩きながら映画の話を少しした。
永井くんは
主人公の女の子に対する学校一のイケメンと言われる男の子の態度を見ていると不器用で真面目なんだなぁと感じたし、彼の気持ちに共感した。恋愛映画とかあまり見ないけど、恋愛映画もたまにはいいなと思った そうだ。
私の好みに合わせて見てくれたうえに感想も一緒に話せた事が嬉しかった。
少しずつ永井くんとの会話も自然に出きるようになり、少し距離が近づいたような気がした。
そんな風に感じている時ふと会話が途切れた。
何気なく永井くんの顔を見上げると永井くんも私の顔を見ていて目が合う。
「…みらい」
突然名前を呼ばれドキッとする。
「…えっ?」
「…未来って、ええ名前よな。誰がつけてくれたん?」
(なんだ、名前の由来についてか。名前を呼んでくれたのかと思ってドキドキしたわ)
「あぁ、未来ってね、父親がつけてくれたんよ。うちが生まれたとき、未来が明るくなった気がした…ってね。」
「そっかぁ~なるほどな。お父さん、多分後藤さんのこと可愛くて仕方なかったんじゃろぉなぁ。」
うんうんと納得したようにうなずく。
永井くんが何気なく呼んでくれた私の名前。
ホントは『後藤さん』じゃなく『未来』って呼んでほしいと心の中で呟く。
座席に座ると永井くんがいる右側の肩が熱く感じた。すぐとなりに永井くんがいると思うと緊張してしまう。
それでも映画はとても感動的で涙ぐむシーンもあり、次第にストーリーに引き込まれて行った。
エンドロールが終わり、会場の明かりが点る頃には観客の人たちは立ち上がり、会場を出ている人もいた。
ストーリーに引き込まれていた私は放映が終わったあともスクリーンを見つめていたけど、ハッと永井くん事が頭をよぎってあわてて隣に目をやる。(永井くん、終わったら早く会場出たい人かもしれん)
永井くんと目が合いドキッとする。
「ごめんなさい、一人で浸りきっとって」
あわてて立ち上がろうとすると
フッと笑い、そっと手を肩に置いて立ち上がろうとする私を止め
「ええよ。ゆっくり出よう。」
と言ってくれた。
映画に集中して少し落ち着いていた心臓がまたうるさく動き出す。
また座席に腰を掛ける。
永井くんの表情を確かめるように顔を見ると永井くんもまた私の方を見ていて思わず目を泳がせてしまう。
(良かった、嫌な顔はしていない。)少しホッとする。
「感動した?俺、原作は知らんけど同年代の話じゃし、何かいろいろ分かる気がした。」
永井くんが微笑みながら映画の感想を話してくれる。少し垂れ気味の大きな目を細めて笑う、その表情がとても好きだ。
「あっ、うん。感動した。主人公の女の子見とったらうちも頑張らんといけんなぁ…って思った。」映画の告白シーンを思い浮かべ話す。
「感動しとるよなぁ、って思った。泣いとるし。フフッ」
からかうように言い、ほっぺを指でツンツンとさわってきた。
顔が真っ赤になるのを感じ、両手でおおう。
「えっ、もぉ、からかっとる?」
「いや、可愛いなぁって思って。クスクス」
「笑うとからかわれとるように思うわ!」
恥ずかしさをかくすようにちょっとすねたように言ってみる。
「ごめん、ごめん。さっ、そろそろ出ようか!」
永井くんに腕を引かれて立ち上がる。会場に残っているのは私たちだけになっていた。
感動の余韻を楽しませてくれたのだと思い、永井くんの優しさにまた感動する。
会場からでて歩きながら映画の話を少しした。
永井くんは
主人公の女の子に対する学校一のイケメンと言われる男の子の態度を見ていると不器用で真面目なんだなぁと感じたし、彼の気持ちに共感した。恋愛映画とかあまり見ないけど、恋愛映画もたまにはいいなと思った そうだ。
私の好みに合わせて見てくれたうえに感想も一緒に話せた事が嬉しかった。
少しずつ永井くんとの会話も自然に出きるようになり、少し距離が近づいたような気がした。
そんな風に感じている時ふと会話が途切れた。
何気なく永井くんの顔を見上げると永井くんも私の顔を見ていて目が合う。
「…みらい」
突然名前を呼ばれドキッとする。
「…えっ?」
「…未来って、ええ名前よな。誰がつけてくれたん?」
(なんだ、名前の由来についてか。名前を呼んでくれたのかと思ってドキドキしたわ)
「あぁ、未来ってね、父親がつけてくれたんよ。うちが生まれたとき、未来が明るくなった気がした…ってね。」
「そっかぁ~なるほどな。お父さん、多分後藤さんのこと可愛くて仕方なかったんじゃろぉなぁ。」
うんうんと納得したようにうなずく。
永井くんが何気なく呼んでくれた私の名前。
ホントは『後藤さん』じゃなく『未来』って呼んでほしいと心の中で呟く。