忘れるための時間 始めるための時間 ~すれ違う想い~
# 未来side
# 未来side
永井くんとは最寄り駅で別れた。
緊張したけどとても楽しい時間になった。
あらためてやっぱり永井くんが好きだと感じた。
帰ってすぐに亜紀に電話て報告した。
「楽しんできた~?」
「それがな、急に達也くんが来れんよぉになって、永井くんと二人だったんよ。」
「え~?!マジか!」
「うん。最初は緊張して話ができんかと思ったけど、ちょっとずつ話ができて、前より少しだけ仲良くなれた気がする。」
「それは良かったなぁ!で、やっぱり?」
「…やっぱり…うち、永井くんがすっ…好きじゃなと思った。」
恥ずかしさでどもるし顔がカアッと赤くなるのを感じながら亜紀に打ち明ける。
「そっか、そっか。でも、東山にとっては不利な展開になったな…。」
亜紀は喜んでくれながらも東山にとっては…のところでは少しトーンを落として慎重に言っているように感じた。
「うっ…」
私が口ごもっていると亜紀が明るい声でまたいろいろたずねてくれた。
「で、永井とはどんな感じだったん?」
「うん、優しいと思った。電車の中でも、揺れるから危ないって服の裾を持たせてくれたり、エスカレーターでは目線合わせるのに一段下に立ってくれた。」
「えーそんな感じなんか!うん、まぁシャイな永井にしてはよーやったな!」
「でな、ビックリしたのは、うちが男の子のに声掛けられた時に、すごい剣幕て怒って…」
「はぁ?!男の子に声掛けられた?!永井のやつ何しょん!」
亜紀が怒り始めた。
「いや、違うんよ!うちが疲れとるんじゃないかって心配して前売券をチケットに変えるときに座っといて、って言ってくれて…」
「みぃ、大丈夫だった?」
亜紀が心配そうにたずねる。
「うん…永井くんがあんなに怒ったとこ初めて見たし、それに…」
「それに?」
「うちのこと、可愛いんじゃから気をつけてって…唯や亜紀みたいなこと言ってくれて フフッ」
顔を赤らめながらそう言ってくれた永井くんを思い出し、思わず笑ってしまう。
「ふぅ~永井がねぇ…まあ、みぃに何事も無くて良かった!」
「何事やこ、永井くんが一緒なのに何かあるわけ無いじゃろフフッ 心配症じゃな。」
「もぉ、みぃは分かってない!」
亜紀がすねたように言う。
「あー永井くんと同じ事言っとる。何か、保護者的な?!感じ!」
「はぁ!?もぉ知らん!」
「フフッ フフッ」
亜紀との会話はとても心が落ち着いた。今日の事が夢のような気がしていたけど、ホントの事だったと実感させてくれた。
※
「未来ちゃん!」
下駄箱で靴と上履きを取り替えている時後ろから大きな声が聞こえた。
「達也くん?」
振り向くと少し離れたところから練習着を着た達也くんが走ってくるのが見えた。
「未来ちゃん、昨日はホントにごめんな!って言うか、永井のやろうに何かされんかった?」
私の肩をがくがく揺すりながらたずねる。
「何かって~フフッ 何もされるわけないが。」
達也くんはホッとしたような顔で手を放した。
「大げさじゃなぁ 達也くん。」
「大げさじゃない!あぁあ~俺も行きたかったなぁ…また行こうな!未来ちゃん、今度は俺とふたりで!」
達也くんがおどけたように言いながら私につめよってきたところで…
「俺に何かされたか心配しとるけど、お前と二人の方がよっぽど心配じゃわ!」
永井くんが達也くんの首根っこを捕まえて私から引き離した。
「いてててっ!うそうそ、今度こそ三人で行こうで!」
苦しさに泣き笑いしながら達也くんが言うから私も永井くんも笑ってしまった。
和やかな3月の朝だった。
永井くんとは最寄り駅で別れた。
緊張したけどとても楽しい時間になった。
あらためてやっぱり永井くんが好きだと感じた。
帰ってすぐに亜紀に電話て報告した。
「楽しんできた~?」
「それがな、急に達也くんが来れんよぉになって、永井くんと二人だったんよ。」
「え~?!マジか!」
「うん。最初は緊張して話ができんかと思ったけど、ちょっとずつ話ができて、前より少しだけ仲良くなれた気がする。」
「それは良かったなぁ!で、やっぱり?」
「…やっぱり…うち、永井くんがすっ…好きじゃなと思った。」
恥ずかしさでどもるし顔がカアッと赤くなるのを感じながら亜紀に打ち明ける。
「そっか、そっか。でも、東山にとっては不利な展開になったな…。」
亜紀は喜んでくれながらも東山にとっては…のところでは少しトーンを落として慎重に言っているように感じた。
「うっ…」
私が口ごもっていると亜紀が明るい声でまたいろいろたずねてくれた。
「で、永井とはどんな感じだったん?」
「うん、優しいと思った。電車の中でも、揺れるから危ないって服の裾を持たせてくれたり、エスカレーターでは目線合わせるのに一段下に立ってくれた。」
「えーそんな感じなんか!うん、まぁシャイな永井にしてはよーやったな!」
「でな、ビックリしたのは、うちが男の子のに声掛けられた時に、すごい剣幕て怒って…」
「はぁ?!男の子に声掛けられた?!永井のやつ何しょん!」
亜紀が怒り始めた。
「いや、違うんよ!うちが疲れとるんじゃないかって心配して前売券をチケットに変えるときに座っといて、って言ってくれて…」
「みぃ、大丈夫だった?」
亜紀が心配そうにたずねる。
「うん…永井くんがあんなに怒ったとこ初めて見たし、それに…」
「それに?」
「うちのこと、可愛いんじゃから気をつけてって…唯や亜紀みたいなこと言ってくれて フフッ」
顔を赤らめながらそう言ってくれた永井くんを思い出し、思わず笑ってしまう。
「ふぅ~永井がねぇ…まあ、みぃに何事も無くて良かった!」
「何事やこ、永井くんが一緒なのに何かあるわけ無いじゃろフフッ 心配症じゃな。」
「もぉ、みぃは分かってない!」
亜紀がすねたように言う。
「あー永井くんと同じ事言っとる。何か、保護者的な?!感じ!」
「はぁ!?もぉ知らん!」
「フフッ フフッ」
亜紀との会話はとても心が落ち着いた。今日の事が夢のような気がしていたけど、ホントの事だったと実感させてくれた。
※
「未来ちゃん!」
下駄箱で靴と上履きを取り替えている時後ろから大きな声が聞こえた。
「達也くん?」
振り向くと少し離れたところから練習着を着た達也くんが走ってくるのが見えた。
「未来ちゃん、昨日はホントにごめんな!って言うか、永井のやろうに何かされんかった?」
私の肩をがくがく揺すりながらたずねる。
「何かって~フフッ 何もされるわけないが。」
達也くんはホッとしたような顔で手を放した。
「大げさじゃなぁ 達也くん。」
「大げさじゃない!あぁあ~俺も行きたかったなぁ…また行こうな!未来ちゃん、今度は俺とふたりで!」
達也くんがおどけたように言いながら私につめよってきたところで…
「俺に何かされたか心配しとるけど、お前と二人の方がよっぽど心配じゃわ!」
永井くんが達也くんの首根っこを捕まえて私から引き離した。
「いてててっ!うそうそ、今度こそ三人で行こうで!」
苦しさに泣き笑いしながら達也くんが言うから私も永井くんも笑ってしまった。
和やかな3月の朝だった。