忘れるための時間 始めるための時間 ~すれ違う想い~
明日が週末だと言う日。午後の授業の教科書を出そうとしたら…無い!入れ忘れたのか英語の教科書が無い!
どうしよう…。しばらく考えたが隣のクラスの亜紀に借りよう、そう思って急いで教室から出た瞬間ドン!と誰かにぶつかり、よろけてしまった。
グッと抱き止められる。
「ごめんなさい」
とっさにあやまり、抱き止めてくれた人からも離れようとして見上げると
「大丈夫?」
ぶつかった人が永井くんだとわかり全身の血が頭に登ったかと思う程真っ赤になってしまうのがわかった。
「どーしたん、急いで」
顔を覗き込んでたずねられ、一瞬迷ったが英語の教科書を忘れてしまい亜紀に借りようと思っていることを告げる。
「おっ、そんなら俺が貸してあげるわ。珍しく持っとるし!」
そう言うが早いかすぐに教科書を持って来てくれた。
「ありがとう」
恥ずかしくてうつむきがちに言う。
「フッ、ええよ~って言うか、いつっも俺が借りる方じゃけぇ、たまにはな!」
嬉しくて教科書をギュッと抱きしめる。
「汚いけど…良かったら使って。じゃあ、また後で」
永井くんは爽やかに笑って教室に戻って行ってしまった。
借りた教科書をギュッと抱きしめる。
自分の席に戻りドキドキしながらページをめくった。
ふと、教科書のすみに書いてある落書きに目が行く。
『目指せ甲子園!』
ボールやバットの絵と一緒に力強い字で書いてある。
思いの強さを感じて胸が熱くなる。
(頑張ってるもんね~毎日)
どうにか叶えてあげたいこの願い。
『きっと行けると信じています!』
思わず書いてしまった。
叶いますように、と願いをこめて。
もうすぐ夏の予選が始まる。
どうしよう…。しばらく考えたが隣のクラスの亜紀に借りよう、そう思って急いで教室から出た瞬間ドン!と誰かにぶつかり、よろけてしまった。
グッと抱き止められる。
「ごめんなさい」
とっさにあやまり、抱き止めてくれた人からも離れようとして見上げると
「大丈夫?」
ぶつかった人が永井くんだとわかり全身の血が頭に登ったかと思う程真っ赤になってしまうのがわかった。
「どーしたん、急いで」
顔を覗き込んでたずねられ、一瞬迷ったが英語の教科書を忘れてしまい亜紀に借りようと思っていることを告げる。
「おっ、そんなら俺が貸してあげるわ。珍しく持っとるし!」
そう言うが早いかすぐに教科書を持って来てくれた。
「ありがとう」
恥ずかしくてうつむきがちに言う。
「フッ、ええよ~って言うか、いつっも俺が借りる方じゃけぇ、たまにはな!」
嬉しくて教科書をギュッと抱きしめる。
「汚いけど…良かったら使って。じゃあ、また後で」
永井くんは爽やかに笑って教室に戻って行ってしまった。
借りた教科書をギュッと抱きしめる。
自分の席に戻りドキドキしながらページをめくった。
ふと、教科書のすみに書いてある落書きに目が行く。
『目指せ甲子園!』
ボールやバットの絵と一緒に力強い字で書いてある。
思いの強さを感じて胸が熱くなる。
(頑張ってるもんね~毎日)
どうにか叶えてあげたいこの願い。
『きっと行けると信じています!』
思わず書いてしまった。
叶いますように、と願いをこめて。
もうすぐ夏の予選が始まる。