忘れるための時間 始めるための時間 ~すれ違う想い~
# 光side
# 光side
達也に手を引かれて走り去っていく後藤さんを見送りながら、さっきまでのポカポカした気持ちが少し冷めて行くのを感じていた。
当たり前のように手を繋ぐ二人の距離の近さに胸が締め付けられる。
「ふぅ…」ため息が出る。
少し暗い気持ちで机に戻ると後藤さんに貸してあげた教科書を何気なくパラパラとめくって見た。
「…あっ!」
あるページで目が止まる。
『きっと行けると信じています!』
胸が熱くなった。
手のひらで顔を撫で、もう一度教科書を見る。
きれいにまとまった後藤さんの字だ。
後藤さんの優しさが胸に染みた。
甲子園なんて夢なのかも知れない。そう心の片隅で思いながらも本気で書いた言葉。後藤さんが書いてくれた言葉もまた本物だと思った。
二人の仲良さそうな後ろ姿と後藤さんの教科書の文字が代わる代わる頭をよぎる。
この気持ちを漏らさないように、誰にも気づかれないように…もう、膨らみすぎるくらい膨らんだ後藤さんへの思いを。
達也に手を引かれて走り去っていく後藤さんを見送りながら、さっきまでのポカポカした気持ちが少し冷めて行くのを感じていた。
当たり前のように手を繋ぐ二人の距離の近さに胸が締め付けられる。
「ふぅ…」ため息が出る。
少し暗い気持ちで机に戻ると後藤さんに貸してあげた教科書を何気なくパラパラとめくって見た。
「…あっ!」
あるページで目が止まる。
『きっと行けると信じています!』
胸が熱くなった。
手のひらで顔を撫で、もう一度教科書を見る。
きれいにまとまった後藤さんの字だ。
後藤さんの優しさが胸に染みた。
甲子園なんて夢なのかも知れない。そう心の片隅で思いながらも本気で書いた言葉。後藤さんが書いてくれた言葉もまた本物だと思った。
二人の仲良さそうな後ろ姿と後藤さんの教科書の文字が代わる代わる頭をよぎる。
この気持ちを漏らさないように、誰にも気づかれないように…もう、膨らみすぎるくらい膨らんだ後藤さんへの思いを。