judgement!!2
私は家に入るなり、天宮さんに強く抱き締められる。首に顔を埋められ、匂いを嗅がれてくすぐったい。

「あ、天宮さん……!!」

逃げようとしても天宮さんの方が力が強い。チクリと首に痛みが何度も走った。

「ねえ、僕ずっとLINEして電話もしてたんだよ?どうして出てくれないの?僕のこと嫌いになった?」

顔を上げた天宮さんの目に光はない。ここ最近で一番厄介なことになったかも……。

「雪が僕のこと見てくれないなら、監禁して歌い手のグッズも全部捨ててあげる。ああ!それよりその歌い手の住所を特定して殺しちゃった方がいいかな?」

光のない目で恐ろしいことを天宮さんは言う。私は最強の武器を取り出すことにした。その前に天宮の頰を包み、優しいキスをする。

「私は天宮さんのことが好き。そんなに不安にならないで」

「雪……」

天宮さんの目に光が戻ってきた。これなら話を聞いてくれるだろう。私は天宮さんの頰を包んだまま口を開く。
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