可愛い、もっと。
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あれからあっという間にお昼休みになった。
「うぅ、やっぱり外は寒いね」
いつもお昼は柊羽くんと一緒に食べたいから人の出入りがほとんどない屋上で食べてる。
教室で食べるのもいいけど周りが騒がしいし、2人っきりになれないから。
柊羽くんと2人、屋上に来てみれば今日もわたしたち以外誰1人いない。
壁にもたれかかって
2人横に並んで座る。
寒いからブランケットを持ってきて、バッと広げてわたしと柊羽くんの膝にかける。
早速持ってきたお弁当を食べようとしたんだけど。
「叶音……こっち向いて」
「へ……っ、……ん」
名前を呼ばれて振り返ったら、さらっと塞がれた唇。
周りの空気はすごく冷たいはずなのに、触れた唇から熱が伝わってくる。