可愛い、もっと。
身支度を終えて、朝ごはんを食べて、
最後に鏡でチェックして。
勢いよく玄関の扉を開けてみたら。
「……おはよ、叶音」
「あっ、柊羽くん、おはよ……っ」
わたしの大好きで仕方ない人
……椿木柊羽(つばき しゅう)くんが壁にもたれかかって、待っていてくれた。
わたしを見つけた途端、にこっと笑ってくれる。
急いで柊羽くんのそばに駆け寄る。
「……あっ、うわっ!」
朝から柊羽くんに会えたのが嬉しすぎて、勢いがよすぎたのか足が絡んでつまずく。
身体が一瞬ふわっと浮いて、そのまま転ぶと思ったら。
「……っと、危ないよ」
すぐに柊羽くんが反応してくれて、見事にわたしの身体をすっぽりキャッチ。