可愛い、もっと。
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いつもどおり、長すぎてつまんない午前の授業がやっと終わった頃。
お昼は叶音と過ごせる時間なので、2人して寒い中だけど屋上へ。
「叶音?」
「……」
そういえば休み時間から気になっていたけど、今日の叶音は反応がかなり鈍い。
今も名前を呼んだけど、どこかポーッとしてるような様子で、目がとろーんとなってる。
「どうかした?」
「ぅ……ぁ、……つ、い」
ん?
なんて言ったのか聞き取れなかったけど次の瞬間、叶音がすべてをあずけるように俺のほうへ倒れてきた。
え、何これ。
叶音の身体がものすごく熱い。
触れるまで気づかなかったけど、かなり体温が高いのがわかる。
顔もかなり真っ赤だし、これは確実に体調を崩して熱があるに違いない。