可愛い、もっと。
「体調悪かったの?無理させてごめんね」
このままだとまずいので、とりあえず保健室に連れて行かないと。
ひょいっと簡単に叶音の身体を持ち上げると、なぜか首をブンブン横に振っている。
え、なんでこのタイミングで首振ってる?
「どーしたの、叶音」
「ぅ……やだぁ……まだここにいるの……っ」
「いや、ダメだって。叶音体調悪いでしょ?たぶん熱もあるだろうし」
「やだ……やだ……っ」
珍しく叶音が駄々をこねてる。
たぶん熱があるから頭がボーッとしてるんだろうけど。
不謹慎かもしれないけど、そんな叶音ですら可愛く見えてしまうなんて。
「ダーメ。
今は叶音のわがまま聞いてあげられないよ」
いつもなら存分に聞いてあげるけど、今は体調のほうが心配だし。