可愛い、もっと。



お姫様抱っこしたまま連れて行こうとしたら。


「ここ、離れちゃったら……柊羽くんと2人でいる時間なくなっちゃう……っ」


潤んだ瞳でそんなこと言うのは反則を超えてる。


この子はほんとに、俺をどれだけ虜にさせれば気がすむの?



つまり、叶音が駄々をこねてる理由は、俺とまだ2人でいたいからってこと?



いや、もう何その可愛いわがまま。


今も俺にギュッとしがみついてる姿にですらクラクラする。



はぁ……こんな状況で手出したら男として終わりだし、叶音に嫌われたら元も子もないし。


自分の中でグッとこらえる。



「……大丈夫。保健室行っても俺がずっとそばにいるから安心して」


「ぅ……ほんとにほんと?
約束破ったら怒っちゃうよ……っ?」



逆に怒ってるところも可愛いだろうから見てみたいけど。


……なんて、そんなこと言うのはさすがにダメだろうから、ここは抑えないと。

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