可愛い、もっと。



ふんわり石けんみたいな優しい……いつもの柊羽くんの匂いが鼻をくすぐる。



「慌てなくても俺は逃げないよ?」


「うぅ、ごめんね。柊羽くんに会えたのがね、すごく嬉しくて……っ」



「……」


「しゅう、くん?」


わたし何かまずいこと言っちゃったかな。

心配になって、ちょこっと顔を上げて柊羽くんをジーッと見てたら。



「……ほんと叶音の可愛さってブラックホール並みだよね」


「へ…っ?」


困り果てたように頭を抱えちゃった。



「……可愛すぎて俺の腕の中にずっと閉じ込めたいくらい」


なんて言って、外なのにお構いなしに抱きしめる力を強くしてくる。



「わ、わたし可愛くないよ……っ?」


「いや、めちゃくちゃ可愛いから、世界でいちばん可愛いから」

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