可愛い、もっと。
毎朝、必ず柊羽くんが家まで迎えに来てくれて、放課後もぜったい送ってくれて。
完璧すぎて、わたしにはもったいないくらい。
もうすぐで付き合って半年くらい。
ケンカなんて一度もしたことないし、わたしが不安に思ったことはぜんぶ聞いてくれる優しい柊羽くん。
ただ、そんな優しい柊羽くんは
たまに、笑顔でちょこっと怖いことを言ったり、よくわからないことを言ったりすることもあったり。
2人で最寄りの駅まで歩きている途中。
「はぁ……っ、今日すごく寒いねっ」
季節は真冬の12月。
息を吐くと真っ白。
手袋とマフラーが欠かせない毎日。
防寒具をしっかり身につけているのに寒くて仕方ない。
「……ほんと足とか寒そうだね」
「うぅ、たしかに足元はすごく寒いかな」