可愛い、もっと。
***
無事に学校に到着。
柊羽くんとは1年生の頃からクラスが一緒で、2年生になった今も同じクラス。
「しゅう〜はよーっす」
「おはよ」
教室に入った途端、クラスメイトの岸くんがすぐに柊羽くんに挨拶する。
岸くんといえば、クラスのムードメーカーですごく話しやすい男の子。
すると、柊羽くんの隣にいるわたしにも気づいてくれて、ニカッと笑いながら。
「あ、叶音ちゃんもおは━━━」
手を振ってくれた岸くんが一瞬で視界から消えてしまった。
それもそのはず。
岸くんからわたしの姿を隠すように、柊羽くんが前にバッと立ったから。
「え、なんだよ〜。せっかく叶音ちゃんに挨拶しようとしたのにさ〜!」
うんうん、わたしもきちんと挨拶したかったのに。